「関立戦」2018レビューその2:立命館あの「スーパーキャッチ」がいろいろ凄かった!

前回から関西学生アメリカンフットボールリーグ2018 Div.1最終節の関西学院大学ファイターズ対立命館大学パンサーズの試合をレビューをしています。第2回の今回は、第3Q残り7:55に立命館大学のQB19荒木選手からWR82木村選手に通ったタッチダウンパスについてみていこうと思います。

関西学生アメリカンフットボールリーグのハイライトでは1:09頃のプレーです。(そのまま再生が続くので、適当なところで戻ってきてください。)

rtvのアーカイブでは1:03:09頃です。

https://amefootlive.jp/kcafl/3562

パスプロについて

いろんな所でいろんな事が起きていて見どころ満載なプレーなんですが、まずはボックス内、特にパスプロに注目してみます。

図にしてみるとこんな感じ。下手で申し訳ない(笑)

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ロングパスを投げるのに十分な時間をQBに与えられたことも大きかったですね。

まず、左へのゾーンリードのフェイクのようなプレーなので、プロテクションとしては左のDEを浮かした上で右にフルスライド・プロテクション(ゾーン)と言えるかなと思います。

ブリッツが入らず4メンラッシュだったので、枚数的には問題なかったんですが、マッチアップ的に大変なのはオフェンスから見て左のDEのプロテクションですね。

左のDEは浮かされている関係で、プレー開始直後、すかさず縦に割ってくるんですが、それをJETモーションしてきた選手がなんとかワンヒットしてラッシュを遅らせました。その後ハンドオフフェイクを終えたRBの選手もフォーローしたこともあって投げることができましたね。

アサイメント上、RBをパスコース(チェックダウン)に出すのではなくて、ボックス内に残して、抜けてきたディフェンスの選手を探してフォロー(スキャン)させたことが功を奏したかなと思います。(逆に言うと、関学DL陣へのリスペクトを感じます。)

関学のカバレッジとパスコースついて

今度はダウンフィールドをみてみましょう。
関学ディフェンスは、カバー3のゾーンカバーですね。カバー3ではアライメント上、ディープのサイドライン際が強くなる半面、CBとFSの間のシーム(ゾーンの切れ目)はどうしても弱くなります。下図でブルーで囲った部分ですね。

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パスコースは結果的にこの部分の両方にレシーバーを送り込んでるんですが…いろんな事が起きてますね。

まず、パスが通った左サイドは、はじめ見たときはフェードとアウトだと思ったんですが、ただ真っすぐ走った訳ではないんですね。インサイドレシーバーは、Whipルートのように一瞬内に切ってからアウトしてます。そして何よりアウトサイドレシーバーです。

アウトサイドレシーバーに対してCBはインサイドポジションを取っていました。で、リリース後、レシーバーは内側に斜めに走ってCBを内側に釣った直後、外からCBを抜いたんですね。しかも、そこから、フェードなんじゃなくてポストのように再び内に走ったところにボールが投げ込まれて、スーパーキャッチ。

FSは少なくともプレーアクションに反応して上がったりはしてないようですね。パスと判断してからはQBをリードしてたんだと思いますが、投げる前にアウトを見てから投げたことや、JETモーションが入ったこともあってか、サイドライン寄りに角度を付けて下がってたんですね。フェードだったら上手いこと守れてたと思うんですが、虚をつくように内側に投げられてしまったというのもあったと思います。あとインターフェアもこわいですしね。

FSが左に下がったんなら、反対の右サイドに投げた方が良いんじゃないかと思うかもしれないけど、QBが右を見てたらそっちに下がっていた可能性もある上、OLB的な位置にいるのがDB登録の選手なので(守備範囲の広さやパスカバーの上手さ的に)投げにくいというのもあるかもしれませんね。このあたりが、ルック的には4-4-3でも、パーソネル的には4-2-5のメリットでもあるかなと思います。

タッチダウンにはなってしまいましたが、、関学ディフェンス全体を見るとそんなに問題があったわけではないかなと思います。結果的にパスコースに出た3人全員をダブルカバーできてるように見えますし。何より木村選手のコース取り、キャッチ、荒木選手のボール、全てがスゴ過ぎましたね。ホント鳥肌もんでしたし、1ポゼッション差に迫って俄然試合が面白くなったプレーでしたね!

 

 

今回の話は以上です!
それではまたっ!