前回と前々回に引き続いて、関西学生アメリカンフットボールリーグ2018 Div.1最終節の関西学院大学ファイターズ対立命館大学パンサーズの試合をレビューしていきます!
第3回の今回は、第4Qに関学が奪った2つのインターセプトについて見ていこうと思います。
関立戦の関西学生アメリカンフットボールリーグのハイライト動画はこちら。(残念ながらインターセプトのシーンはカットされているようです。)
尚、あすリートチャンネルでも期間限定配信中のようです。rtvのアーカイブも恐らく同じ動画だと思います。
4Q残り7:43:関学DB45畑中選手のインターセプト
第4Q中盤に関学が奪ったインターセプトから取り上げてみようと思います。
あすリートチャンネルやrtvでは1:31:30頃です。
ちなみにこのプレーは、HUDDLE magazine(ハドルマガジン)2018年12月号の、12ページ右上の再生ボタンを押下しても見ることができます。
僕なりにざっくり図にしてみるとこんな感じ。
カウンタートレイの例を一応図にしときます。(ディフェンスのアラインが変わってたりするのは気にしないでください。)
こんな感じで左GがLOSの端っこの人(EMLOS このプレーの場合DE)をキックアウトして、左Tもプルしてリードブロッカーになることが多いと思います。
なので本当は左Tも右にプルせせた方がランプレー感が強くなるところですが、プレーアクションでさすがに左Tまで右にプルさせてしまうとQBを守るのがキツくなります。しかも今回のプレーの場合左にブーツレッグするので、なおさら左サイドのOLが減りすぎない方が良い。
そこでこのプレーでは左TがNGをブロックしにいく感じでスタートすることによって右に大きく動かして、右のランプレーですよ感を醸し出してるのかもしれません。
センターが左のDEにいくのもちょっと意外性があって面白いですね。
で、そんなこんなでプレーアクションしたのちQBは左にブーツレッグしました。ディフェンスはMLBがブーツレッグやロールアウト時はQBにプレッシャーをかける役割だったのか上がってきましたね。
これによってMLBとDL4人を除く6人でのパスカバーだったことがわかります。一方QBにパシュートしてきたMLBを、最終的には左のインサイドレシーバーがブロックしているので、オフェンスでダウンフィールドに出てパスコースを走ったのは3人ということがわかります。
では今度はそのダウンフィールドに注目してみましょう。
ディフェンスが2ハイセイフティーなので、ディープゾーンではアライメント上、先ほどの図でブルーの四角で囲った3箇所(①②③)あたりがどうしても弱くなります。
左のアウトサイドレシーバーの動きは、コーナールートで①を突く、とみせかけて、ポストで②へ走るルートですね。
このコーナーのフェイクに一瞬CBが気を取らているように見えるので、ある意味、立命館側の目論見は成功しているように思います。
が、誤算だったのはFSの位置にいた関学DB45畑中選手の動きでしょう。
本来なら右のアウトサイドレシーバーのコーナールートで③に走ることによってFSが流れてくるのを防ぎたがったのだと思いますが、インターセプトされてしまいました。左右どちらのアウトサイドレシーバーに投げられても対応できそうなポジショニングや、リアクションの速さ等スゴかったですね。
左にブーツレッグからのパスなので右には投げにくい→早い段階で右のアウトサイドレシーバーに投げられる可能性を切れた、というのもあったかもしれませんね。
なので個人的には、
右サイドのアウトサイドレシーバーは、コーナールート走らせてFSを横にストレッチするより、インを走らせてディープ中央で縦にストレッチさせたほうが好きです。このプレーの場合左にブーツレッグなので、その方がどっちに投げるかわかりにくいかなと思います。
まぁ無責任な素人の考えですけどね。(笑)
あと、もしこのプレーの時のディフェンスがはじめから、
SSの裏をわざと取らせて、あえてQBに投げさせておいて、逆サイドのセイフティーがインターセプトするデザインのアサイメントだったとしたら凄すぎですね(笑)
4Q残り3:54:関学DB25横澤選手のインターセプト
あすリートチャンネルやrtvでは1:36:45頃のプレーです。
3rd-11のパスシチュエーションで、
プレーとしてはCBをフェードで釣っとおいて、そのスペースに左サイド#2レシーバーが深めのクロッシングルートみないなルートで走り込んでますね。
これに対して関学DB25横澤選手が、ディープから戻ってきてインターセプトする形になっています。
実はこれって予兆みたいなものはあったと思います。
この横澤選手の戻りの速さって、先ほどインターセプトされた上記のプレーでも同じような動きを見せてるんですね。オレンジの楕円で囲った部分がそうなんですが、一旦自分のゾーンにしっかり下がった後は、インサイドレシーバーのアウトに反応して戻ってきていました。(つまりカバー2の動きですね。)
今回のプレーの場合、
パススチュエーションであり、しかもちょうど1stダウン更新できるぐらいのパスだったこともCBのリードを助けた部分もあったかもしれません。
ゾーンディフェンスの基本と言われる、自分のゾーンに下がってQB(とルート・パターン)をリードして、ボールに反応するというのを体現した結果のインターセプトともいえるかもしれません。リターンも素晴らしかったですし、能力の高さを思い知らせるプレーでしたね。
と、いうことで今回は関立戦のインターセプトについてでした。
こうやってみると関学DB陣の守備範囲の広さが際立ったプレーだったなと思います。
再戦となるWESTERN JAPAN BOWL(西日本代表校決定戦)でも対策は考えてくるでしょうから、次戦の空中戦にも注目ですね!
今日の話な以上です!
お読みいただきありがとうございました。
それではまたっ!